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The Behaviour Project

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Introduction

The Behaviour Project

日中韓3カ国・6人のダンサーと
私たちのふるまいの
成り立ちを探るリアリティショー

ビヘイビアプロジェクトは、私たちが日常何気なく行っている「ふるまい」に焦点をあて、ふるまいの成り立ちとこれからを探る実験的プロジェクトです。日中韓の3カ国から、身体表現の専門家であるダンサーを2人ずつプロジェクトに招き、計6人のダンサーと共に東京/北京/ソウルに訪問滞在。ショッピングセンターやオフィス街など様々な場所で、都市に暮らす人たちのふるまいをフィールドワークします。そして、歴史学者・経済学者・デザイナー、社会学者など、ふるまいに関連する様々なプロフェッショナルの協力を得ながら、ふるまいの成り立ちとこれからについて分析、その活動内容を記事やドキュメンタリー番組として配信します。そして2025年2月には、ダンサー1人ひとりがこうありたいと思える新たな「ふるまい」を展示/パフォーマンスとして発表。またそうした問いかけを起点に、企業や自治体とも協働しながら、社会のふるまいを自分たちの意思で再設計する活動を行っていく実践型のプロジェクトです。

お辞儀のふるまい

電車でのふるまい

公共空間でのふるまい

なぜ私たちはこのような
ふるまいをするのだろう?

私たちは、いつも自分の意思で行動していると思いがちだけれど、
実は社会の様々な決まりごとに沿って、無意識のうちにふるまっている。

初対面の相手に合うときは、いつもよりたくさんお辞儀をしていたり。
目上の人に敬語で話すと、身体の動き方自体も自然と下手に出ていたり。
電車に乗るとき、周囲の状況で自分の立つ位置が大体決まってしまったり。

ふと、自分はなんでこんな動きをしているのだろうと思うときがある。

特に外国に旅をすると、社会の常識が違うからか、
お辞儀をしなくなったり、電車でのふるまい方が違ったりして、
いろいろな社会があるものだ、とびっくりする。

普段何気なく行っている、社会の中での自分のたちふるまい。
私はなぜ、いつから、どうやって、こんな風にふるまうになったのだろうか?

ふるまいは、
どこから来たの?

日中韓という東アジアの3カ国は、似ているところが多い。
言葉は通じないけれど、なんといっても見た目が似ているし、
書道やお茶、仏教などの共通点も多い。
また一方で、似ているからこそ際立つ細かな違いもある。

そんな隣国の人たちを見ていると、なぜ似ているのだろう、
なぜ違うのだろう、という疑問が湧き上がってくる。

目上の人を敬うといった伝統的な考え方は、
儒教などの少し前の歴史が関係しているのかもしれないし、
電車の乗り方やスマートフォンの使い方といったマナーなどは、
比較的最近になって形作られたものだろう。

東アジアの隣人を知ることで、結果的に、
自分や、自分の所属する社会の成り立ちが見えてくる。

私たちはどこまで
自らの意思でふるまえるの?

多様性が重要だと言われている現代社会だけれど、同じ社会で暮らすと、共通のルールや社会規範を守ることが求められる。

例えば、日本ではお年寄りの人に席を譲りにくい。相手が遠慮して席に座らなかったり、年寄り扱いしないで欲しいと怒られる場合もある。つまり、席を譲って欲しい人もいれば、声をかけて欲しくない人もいる。人それぞれ考え方が違うとき、私たちはどのようにふるまえるのだろうか。

社会規範は、時代によって変化していく。自分1人だけで社会は変えられるものではないが、多くの人がやりずらいと感じているなら、ルールや習慣は少しずつ変わっていくべきだと思う。ふるまいは日常生活の中で何気なく行っていることだけれど、そんな些細な行動の中に、現代社会の生きづらさが含まれているように思う。このプロジェクトはそうした社会のありように向き合い、チャレンジしていきたい。

The Behaviour Project

日中韓3カ国・6人のダンサーと
私たちのふるまいの
成り立ちを探るリアリティショー

ビヘイビアプロジェクトは、私たちが日常何気なく行っている「ふるまい」に焦点をあて、ふるまいの成り立ちとこれからを探る実験的プロジェクトです。日中韓の3カ国から、身体表現の専門家であるダンサーを2人ずつプロジェクトに招き、計6人のダンサーと共に東京/北京/ソウルに訪問滞在。ショッピングセンターやオフィス街など様々な場所で、都市に暮らす人たちのふるまいをフィールドワークします。そして、歴史学者・経済学者・デザイナー、社会学者など、ふるまいに関連する様々なプロフェッショナルの協力を得ながら、ふるまいの成り立ちとこれからについて分析、その活動内容を記事やドキュメンタリー番組として配信します。そして2025年2月には、ダンサー1人ひとりがこうありたいと思える新たな「ふるまい」を展示/パフォーマンスとして発表。またそうした問いかけを起点に、企業や自治体とも協働しながら、社会のふるまいを自分たちの意思で再設計する活動を行っていく実践型のプロジェクトです。

Cast

イエ・ヒョセウン

ダンサー

ベルギーを拠点とするアラン・プラテルのダンスカンパニー「Les Ballets C de la B」にて長年活動しているイエ・ヒョスン。ヨーロッパでのダンス経験を活かし、韓国とヨーロッパの交流を促すような制作活動を行っている。

ナ・へヨン

ダンサー

1990年ドイツで生まれ。ドイツで人格形成期を過ごした彼女は、幼少期の日常の遊びと同じように、出会ったダンス、音楽、アートからインスピレーションとサポートを得続けている。鮮花芸術高校を卒業後、韓国芸術大学で学士号と修士号を取得した彼女は、ダンサー、振付家、教育者としての多様な経験と、人生で感じた感情をダンス芸術に変換しようとしている。韓国女性相談センターの支援を受け、彼女は性暴力被害者のためのアートヒーリングワークショップを実施した。ソウルダンスセンター主催「CO-Choreo Lab」のアーティストに選ばれ、一般向けのダンスワークショップも指導した。 2023年、彼女は韓国芸術評議会(ARKO)の若手アーティストに選ばれ、人間のコミュニケーションと人間関係の複雑さを掘り下げた「untact but contact」というタイトルの作品を制作した。

ウェイ・マン

ダンサー

ダンサー・振付家・オーガナイザー。12歳の時に中国のフォークダンスを始め、2007年から2011年まで中国民族大学で振付を専攻。2010年より中国のボディアクトスタジオで活動を始め、以後、様々な劇場やアートセンターで振付家・ダンサーとして活動している。2003年にフランクフルト音楽・舞台芸術大学のコンテンポラリーダンス教育プログラムに参加。その1年後、ダンス制作と学際的なアート教育のために、Jiaming Wangと共に「コーブル&ラビット・シアター」を立ち上げ、中国国内から海外まで、劇場、音響、建築、新しいメディアなど様々な専門家を招いて作品制作や教育を行う。

ジャーミン・ワン

ダンサー

Jiamingは、2010年から2017年にかけて、様々分野のアーティストとの共同を通じて、表現スタイルは確立させてきた。彼の作品は、既存の舞台芸術、伝統的な表現形式、メソッド、消費するパターン、それを取り巻く社会環境に疑問を投げかけることを主題としている。 Wei Manとともに「コーブル&ラビット・シアター」を主宰。現在では、新たなメディアと駆使したパフォーマンスとプレゼンテーションに重点を置いた制作活動を行なっている。代表的な作品に「Meet Afternoon Tea」「Night Flight Party」「The Wall」「Drop Shadow」「Chromosome V」「III」などがある。

シマダタダシ

ダンサー

1986年横浜市生まれ。19歳からメソッド演技法を奈良橋陽子主宰UPS academyで学び、その中で身体表現と出会いダンスの活動を始める。ダンスを鈴木知久に師事する。日々の生活にまみれた身体性や感情の記憶をベースに、今この瞬間にただ存在するということのリアリティを探求している。横浜ダンスコレクションEX 2013作品部門奨励賞受賞。2013年〜日韓ダンス交流プロジェクトで、ソウル・八戸・横浜の3都市で公演を行う。その他、国内外で活動。現在はEdgeofthecityと題し、都会の片隅に生きる一つの身体をテーマにした映像およびパフォーマンスの創作を行なっている。

北川結

ダンサー

6歳からモダンバレエをはじめる。桜美林大学にてコンテンポラリーダンスを木佐貫邦子に師事。2008年より白神ももこ主宰のモモンガ・コンプレックスにメンバーとして参加。ダンサーとして木佐貫邦子、伊藤千枝子、小野寺修二、岩渕貞太など様々な振付家、演出家の作品に出演。また、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、長塚圭史、立山ひろみ演出による演劇作品にも出演している。2017年、横浜ダンスコレクション2017 コンペティションⅠにて奨励賞を受賞。イラストレーター“きたがわゆう”としても活動している。

細馬宏通

認知科学

理学博士(京都大学大学院)。早稲田大学 文学学術院 教授。複数の人が集まる場所で起こる身体動作の研究を行う。マンガ、アニメーション、TVドラマ、絵はがき、パノラマなど、視聴覚文化の表現史に関するものに関する論考を執筆。主な著書に『介護するからだ (シリーズ ケアをひらく)』、『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか』、『うたのしくみ』、『フキダシ論: マンガの声と身体』など。

三石晃生

歴史

(公社)温故學會・塙保己一史料館、監事・研究員。歴史コンサルタントファーム・株式会社goscobe代表取締役社長。嵐義人門人。 2023年にアニー賞・エミー賞を獲得したNetflixオリジナルシリーズアニメ『ONI: Thunder God's Tale』(制作: TONKO HOUSE) で History Consultant、同年MAPPA初のオリジナル劇場版アニメ『アリスとテレスのまぼろし工場』(監督・脚本 岡田麿里)では世界観監修を担当するなど国内外の作品を手掛ける。

武山政直

経済地理学、サービスデザイン

慶應義塾大学経済学部卒業。Ph.D.(カリフォルニア大学)。慶應義塾大学環境情報学部助手、東京都市大学准教授を経て、慶應義塾大学経済学部准教授(2003)、同教授就任(2008)。経済地理学、マーケティング論、行動科学を応用したサービスデザイン手法の研究や産学共同プロジェクトを推進中。Service Design Network日本支部共同代表。

山森 裕毅

哲学

〈人間科学〉という???な博士号を持つ哲学者。フランス現代思想を中心に哲学、記号論、メンタルヘルスを学ぶ。学問としてではなく、実践としての哲学を模索しながら、私塾である「滴塾 第二学舎」で哲学と対話を学ぶ場を運営している。マイノリティとマジョリティの接点でマジョリティの側に起こる心のざわめき(葛藤や動揺、不安など)と、それに伴って取ってしまう振る舞いに関心がある。

額田大志

音楽

作曲家、演出家。1992年東京都出身。コンテンポラリーポップバンド・東京塩麹、演劇カンパニー・ヌトミックを主宰。バンド活動と並行する形で「上演とは何か」という問いを持ち続け、演劇と音楽の領域を横断して作品の創作を行う。舞台音楽の作曲家としてはパスカル・ランベール、Q/市原佐都子、コンプソンズ、岩渕貞太などに参加。最近は、目的のない集まりを開催することに精を出している。( photo ©︎Yuta Itagaki / Mana Hiraki )

介川貴晶

ウェブサイト制作

2013年まで沖縄にてキュレーターとして活動し、個展やアートイベントなどに関わる。 その後、マークアップエンジニアとして2年間の制作業務を経験後、2015年にウェブデザイナーとして独立。2020年6月にペンネ株式会社を設立した。 アーティストのポートフォリオサイト制作や、アートプロジェクト系サイトのプロデュースなどを担当している。

南部隆一

グラフィックデザイン

1979年生まれ。国際基督教大学卒業後、ロンドン大学ゴールドスミスカレッジにてMAを取得。帰国後、廣村デザイン事務所勤務。グラフィックデザイナーとして、ブランド開発や建築サイン計画など様々なプロジェクトに関わる。2009年に独立後、同時に東京大学大学院学際情報学府にて修士課程を修了。メディア論、文化人類学を背景に、多様なタッチポイントを横断したデザイン活動を行う。

岩中可南子

プロジェクトコーディネーター

1981年東京都生まれ。早稲田大学大学院文学研究科美術史専攻修了。2012年〜2017年まで民間企業が運営するコミュニティ・スペースSHIBAURA HOUSEにてプログラムの企画運営を担当。日常から生まれる表現や、多様な背景をもつ人々やコミュニティとの協働作業を通した表現活動に関心を持ち、現在フリーランスでアートプロジェクトの運営やパフォーミングアーツの制作、編集などを行う。

元行まみ

プロジェクトコーディネーター

学生時代に建築を学ぶものの、空間そのもの以上にその場から生まれる人の関係性や活動に興味をもち、コミュニティスペースの運営やアートプロジェクト、パフォーミングアーツなどに携わる。多様な人との出会いによって、新たなアイデアや問いが紡ぎ出される機会を求めて日々研究中。

澤 隆志

アドバイザー

2000年から2010年までイメージフォーラム・フェスティバルのディレクターを務める。現在はフリーランスのキュレーター。パリ日本文化会館、あいちトリエンナーレ2013、東京都庭園美術館、青森県立美術館、長野県立美術館などと協働キュレーション多数。「めぐりあいJAXA」(2017-)「写真+列車=映画」(2018)「継ぎの時代」(2021-)「たまき」(2023)など企画/プロデュース。

中澤大輔

プロジェクトリーダー
アーティスト、デザイナー、物語活動家

人や場所、社会や習慣といった私たちの日常の背後に潜む小さな物語に耳を傾け、収集された物語を再構成することで、新たな物語を生み出すことに焦点を置いた活動を行っている。彼がこれまで習得してきた演劇・建築・文化人類学の手法を用いて、人々が参加し体感しながら、オルタナティブなものごとの見方を発見するための体験型作品を制作している。高校3年生の時に同級生と劇団「ペピン結構設計」を創立し、現在に至るまで多数の作品を発表。慶應義塾大学総合政策学部(文化人類学/建築)を卒業後、広告会社に約10年勤務、ロンドン芸術大学セントマーチンズ校修士課程(Narrative Environments)を2015年に卒業。近年では個人作家として、現代芸術作品の制作・発表を精力的に行っている。

Photo of Masashi Nukata: ©︎Yuta Itagaki / Mana Hiraki

Fieldnotes

2022.12.14
ソウル, 韓国

韓国のお辞儀、世界のお辞儀

中澤 大輔
今回滞在していたホテルは、乙支路(ウルチロ / 을지로)というエリアにあって、印刷所や工具屋、金物加工場といった、小さな工場や問屋が集まる街である。東京でいえば合羽橋や蒲田のようなエリアのような雰囲気といったらいいだろうか。 工場のおじちゃんが通う庶民的な食堂や居酒屋も多いのだ...
2022.11.25
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警察官や警備員は傘を指す

中澤 大輔
大韓民国歴史博物館(대한민국역사박물관)に向かっていると、その手前にアメリカ大使館があり、そこで警備をする警察官たちが日傘を差していた。その日は9月上旬でまだ30度を越える暑さ。日傘を差す警察官について、調べたところ、2018年に熱中症対策として屋外警備の警察官に日傘が配布されたのが...
2022.10.04
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公共空間は誰のもの?

中澤 大輔
土曜の夜、ホテルに帰ろうとバスに乗っていると屋台が並ぶ賑やかなストリートがあったので立ち寄った。鍾路3街駅(종로3가역)から清渓川(청계천)に向かう敦化門路(돈화문로)大通り沿いの片側に屋台が出ていた。 土曜の夜のソウル屋台街 清渓川側から見た屋台 一方通...
2022.09.16
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中澤 大輔
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2022.09.06
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電車に乗るというプロトコル

中澤 大輔
週末は、ソウル郊外の住宅街とショッピングセンターを見に行こうと思って、ホテルの最寄り駅から地下鉄に乗った。スマホでメッセージを見ていたのだが、ふと車内が騒がしいことに気づく。まわりを見渡すと、2人や3人で話している人たちが数組いて、その声が少し大きいようだ。携帯電話で話してい...
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ソウルでのデモから公共空間のふるまいを考える

中澤 大輔
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2022.09.02
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感情を押し殺して生きている

中澤 大輔
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2022.09.01
ソウル, 韓国

ソウルで10日間、ふるまいを観察しながら暮らすことにした

中澤 大輔
中澤大輔です。The Behaviour Project の活動の一環として、僕が単身でソウルに10日間滞在しながら、人のふるまいを観察し、テキストを書いたり、写真や映像を撮り溜めることにしました。韓国政府が現在はノービザのキャンペーンを行っているので、それに合わせて8月30日、関西空港...

Exhibition + Performance

日中韓6人のダンサーによるパフォーマンス
2025.2.14 - 2.16

展示「私たちはなぜそうふるまうのか」
2025.6